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『キテレツ大百科』 藤子F不二雄

藤子F不二雄先生の全集が去年、発売された。全巻予約したかったが、お金がないのでできなかった。

この前、古本屋へ寄ったら『キテレツ大百科1』『キテレツ大百科2』が棚に並んでいた。

僕は迷う事なくこの二冊を購入し、すぐに帰宅し夢中で読み耽った。

まず大きなサイズでこの漫画を読めるというのが嬉しい。

『キテレツ大百科』はドラえもんと多くの類似点がある。

キャラクターの立ち位置としては、しずかちゃんがみよちゃん、ジャイアンがブタゴリラ、トンガリがスネ夫に当たる。

そして二つともSF漫画に分類される(もっともF先生曰く、サイエンスフィクションではなく少し不思議の略らしいのだが)。

だが決定的に違うのは、主人公である。

キテレツはのび太と違って能動的なのだ。彼は科学オタクの少年である。ある日、キテレツは自身の先祖であるキテレツ斎の残した『奇天烈大百科』という書物を父親から渡される。白紙で何も書かれていないと思われた『奇天烈大百科』だったが、神通鏡というメガネをかける事で、そこに書かれた内容を読み取る事が出来ると知り狂喜乱舞する。そこに書かれた数々の発明品を自らの手で作り上げていくというのが大筋である。ちなみにコロ助は最も最初に作られ、漫画内で重要なキャラクターとなる。

あとは大人になってから読むと、いい台詞が多い事に気づく。

受験勉強のしすぎてノイローゼ気味になっていた勉三さんを遊びに連れ出したキテレツは山で相撲をとろうを提案する。

「よおし、ぶっ飛ばしてやる」と迎え撃つ勉三さんだったが、キテレツに投げられてしまう。

「英ちゃん、強くなったなあ」と微笑む勉三に、キテレツは言う。

「勉三さんが弱くなったんだよ。勉強ばかりしてたから」と。

結局、最近の自分はゆとりをなくしていたと言って、息抜きの重要さを知る勉三さん。

またキテレツが『しん気ろう鏡』という、しん気ろうを作り出す装置を作るのに望遠鏡が必要になる。だがお金がないので買えない。見かねたキテレツのパパがこれで望遠鏡を買いなさいとお金を差し出し、それを受け取ったキテレツが言う。

「やっぱりパパは甘いなあ」

すると、パパは「甘やかしてるんじゃないよ」と返す。

「きみにはなにかを作り出す才能がある。できるだけのばしてやりたいと思ってね」、と肩に手を置きながら優しく話す。

心温まるいい場面だ。

改めて思うが、子どもが見ても楽しめて、大人が読んでも感銘を与える作品を作りつづけたF先生は偉大だ。

それについて、あとがきで『新キテレツ大百科』の作者である田中道明さんはこう書かれている。

「F先生は自分の子どもの頃の記憶を日記のように重ねて書いている部分があるため、細かい部分まで説得力が出て、自分の血肉が通った作品になったのではないだろうか」と。

僕はこのあとがきを読んだだけで、この本を買って良かったと思った。

あとがきには、他にも“話を量産するための秘訣”が書かれている。

それが何か気になる方には、実際に購入する事をお薦めしたい。

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