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のび太の発言から見て取れる差別意識

のび太はドラえもんに助けられてというか、甘やかされてばかりいるイメージがある。

だが時折ロボットを差別しているとしか思えない発言がある。

『かぜぶくろ』という話で、のび太はドラえもんに対してこんなことを言っている。

『ばかとロボットは、かぜをひかない』

あれだけ世話になっておきながら、ロボットに対する無意識の差別意識が垣間見れる貴重な瞬間だ。

これが『ロボットはかぜをひかない』なら、何も問題ないのだが、馬鹿と並べることに悪意を感じる。

しかし、漫画に出てくるロボットというのはよく差別されている。

その最たる例が

『魁!!クロマティ高校』というギャグ漫画に出てくるメカ沢新一だ。

彼はなぜか高校生という設定で、ロボット差別ネタでかなり笑いを取っている。

ボタンひとつで初期化されるなど、相当ひどい扱いを受けていたりする。

メカ沢くんの弟で「メカラッタ!」としか喋れない『メカ沢β』なんか

誤ってゴリラに体を踏み潰され、ぺしゃんこになっていた。

なぜロボット差別が笑いになるか?

当然ながら我々がロボットではないからだ。

ロボットに心はないのだろうが、もしロボットがクロ高を読んだら、はらわたが煮えくり返るのではなかろうか?

ここには明らかに、人間という優位な側から、ロボットを見下ろしている、という構図があるのだ。

前にある週刊誌にピーター・アーツが日本人に対して行った“ナンパ”の証拠というのが載っていた。

英語の走り書きで紙に何か書かれており、その隣に日本語訳が載っていた。

確かこんな内容だったはずだ。

『この店を出てどこかへ行かない? このことは近くにいる黒人には内緒だよ』

この“黒人”はアーツと一緒に店へ来ていたアーネスト・ホーストを指している、と週刊誌には書かれていた。

僕はここからアーツの差別意識みたいなものが薄っすら漂ってきている気がした(ちなみにホーストはスリナム共和国というアフリカの出身だが、国籍をアーツと同じオランダに移している)。

恐らく白人側から見下ろした有色人種蔑視のユーモアというのは、かなりの数あったはずである。

現にモンティ・パイソンを見ていても、黒人差別をモロにやっているネタがあった。

これはバロウズの『ターザン』も然りである。

百年前と比べると、建前上は差別してはいけない、という風潮にはなっている。

しかし白人たちから、我々有色人種に対する差別意識がなくなったとは到底思えない。

だからこそ、時折オフレコであるはずの有色人種蔑視発言が、外部に漏れて問題になり、“建前上”謝罪するということがある。

だがこれはなくならないものだと思う。

自分と他者を比較して優越感に浸るというのは、多くの人間に備わった“習性”なのだ。

かなり仲の良い、のび太とドラえもんの間にですら、差別意識は存在するのだから。

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