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ドラえもん『ぼくよりダメなやつが来た』

最近、何度も読み返しているのがてんとう虫コミックス23巻に収録されている『ぼくよりダメなやつが来た』という話。

ある日、のび太のクラスに転校生がやってくる。彼の名は多目くん。

見るからに、のんびりしていて優しそうな感じ。

のび太と似たようなタイプなのだが、彼よりも大人しい性格。

この多目くん。のび太よりも、勉強や運動ができないのだ。優越感を感じたのび太は、多目くんと一緒に遊び、かけっこをしたりして悦に浸る。

一緒に廊下へ立たされたのび太と多目くん。

これからも0点を取って仲良くしていこう、というのび太に対して、多目くんは、できれば僕は自分を変えたいし、ダメなままでいたくないと、遠慮がちに話す。

自分に逆らうとは生意気なと、憤慨するのび太。

横柄な態度をとり始めたのび太に対して、ドラえもんは『配役いれかえビデオ』という道具を取り出して、見せる。

その映像の中での、のび太と多目くんが、スネ夫とのび太に入れ替わる。

ここであることに気づくのび太。

のび太がこれまで多目くんにしてきたことは、今まで自分がジャイアンなどのいじめっこにやられてきたことだったのだ。

自分の代わりに野球に参加して、ジャイアンたちに殴られそうになっている多目くんを見かねて、家を飛び出すのび太。

多目くんの身代わりになって、殴られる。

突然、転校することになった多目くんは、のび太に君ほど僕に親切にしてくれた人は始めてだったと涙ながらにお礼をいう。

これまでの自分の行動を省みて恥ずかしくなる、のび太。

「穴があったら入りたい」というのぶ太の言葉を受けて、『即席落とし穴』なる道具を使って、本当に穴へドラえもんがのび太を落としてしまう、とまあこんな話なのだ。

大人になってから読むと、本当に名作だなと思う。

男だったらその傾向がなおさら強いのだが、ある集団ができると必ず序列が形成される。そして時間とともに『イジメられ役』『イジラレ役』が出現し、そのパワーバランスが変わらない。

イジラレ役、イジメられ役が姿を消すと、今度はまた別のそういう存在が自然と作られる。

人間の醜い面だなと、思うもののDNAに刻み込まれた性質だとも感じる。

なぜF先生が『僕より多目なやつが来た』という傑作を生み出せたかといえば、それは恐らくF先生が、幼い頃に、のび太や多目くんのような存在だったのだ。

そして、その時の記憶をいつまで経っても、リアルに覚えておられたからだろう。

F先生は、亡くなるまで純粋な方だったに違いない。

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