『おいで、おいで』
おい、タケル 死んでるんとちゃうか、一人中へ帰って行きよった! |
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おい、タケル 死んでるんとちゃうか、一人中へ帰って行きよった! |
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うーわ、家康来てるやん |
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あれっ縁側に誰か座ってるなあ |
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ただいま、あれっ庭に誰かおるなあ
うん?
あれ、秀吉ちゃうんかいな
間違いないわ
秀吉やわ
あいつ、鳥かごの前で何してるねん
ああ、そうか
そういう事ですか?
何とか鳴かせようとしてるんかいな
せやけど、うちのホトトギスは中々、鳴かへんよ
それを鳴かせようと言うんやから
秀吉のやつ、チャレンジャーやね、羽柴チャレンジャー秀吉やね
何や、あいつ
急に飛びはねてからに
なんぼ猿に似てるからって
あないにウキウキ言わいでもええのに
ああ、やっぱりや
秀吉がなんぼウキウキ鳴いても
うちの、ほととぎすは鳴かへんねえ
猿真似ではあかんちゅうこっちゃ
あーあ、秀吉すねてもうて
地面に『の』の字を書き出したで
せやけどあれやなあ
こうやって、後ろから秀吉見てると
猿そのものやなあ
あっしまった目ぇ合わせてもうた
猿は目ぇ合わせたらあかんのに
いやあれは秀吉やからええんか
でも猿そっくりやからなあ
うーわ、めっちゃこっち威嚇してるし
ホトトギス鳴かせに来たんちゃうんかいな
ほんまに忘れっぽい猿やで
勝手に人に家の庭入ってきて何をしとんねん
保健所呼んだろか
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やめろや、食わせろや |
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ちょっと、おかあさん 面白いからしばらく眺めてよっと…… |
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うーわ、なんやのこの子
口から先に生まれてるやないの
ちょっと、お父さんも先生も
ぼーっと見てるんやなくてな
捕まえてよ
先に口捕まえとかんと
どっか逃げてもうたら取り返しつかへん事になるで
あたし、赤ん坊の体が出てくるまで動けへんがな
何が「お前のせいや」やの
あんた、この状況でようそんな事言えたなあ
そら、あたしはよう喋るで
口から先に生まれてきたって何べんも言われたわ
せやけど、それとこれとは別やないの
今はその口捕まえるのが先決ちゃうの?
なんか情けなくて涙出てきたわ
それにしても、すばしっこい口やなあ
みんな完全についていけてないなあ
ちょっとみんなしっかりしてや
はよ、捕まえてえな
あたしは分娩台で眺めてるさかいな
あれ、あれれ
なんでやろ
また股の間から口が出てきたがな
どういう事やの?
双子かいな?
いやエコー写真では一人しか写ってなかったもんなあ
双子ではないな
ほんならなんでや?
なんでとか言うてる間に、また股の間から口が……
もういややわ
なんでこんな事になるのよ
あたし、なんかした?
これ絶対なんかの呪いやで
あーあ、次から次へと口が出てくるわ
下の口から、たくさんの口が……
もうこうなったら仕方ない
最後の手や!
何してんの?ってあんた
口たちを睨みつけてるんやないの
ほら昔から言うやろ?
“目は口ほどに物を言う”って
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ああ、やっぱりや |
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友人を連れ立って、久々になじみの雀荘へ赴くと |
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あっ、いつの間にか、うとうとしてたみたいやな |
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ふー、ただいま |
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なんや、カンコン、カンコンうるさいなあ |
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リストラされた五人の中年男性を集め
粉雪の舞う庭に下半身裸で放り出す
横一列に整列させ、家屋に尻を向けるよう命じ
四つんばいの姿勢を取らせる
そのまま自室に向かい、読書をして夜になるのを待つ
丑三つ時になると庭に面した引き戸を開ける
当然、まだ男たちは尻を向けたままの体勢を取り続けている
雪の積もった男の尻を見ながら一杯呷る
そう、尻見酒である
弛んだ尻もあれば、毛むくじゃらの物もある
それぞれ個性豊かな五つの尻を見ながら
酒を呑んでいると、つい一句詠みたくなる
しかし、その気持ちをぐっと堪えて
また酒を呷る
空を見上げれば、大きな満月が浮かんでいる
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うーわ、またあの亀、子どもにイジメられてるやん |
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おい、赤鬼 たくさんの人を殺せば英雄になれる』 |
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ああ、もうこんな時間か |
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母に頼まれ、いやいや父の寝室に向かった |
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ああ、腹減った |
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雷鳴のような咆哮と地響きで目を覚ました |
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ええ、そうなんすよ |
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去年の事である |
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はいはい |
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あっ昨日の話? |
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うーわ、また卑弥呼ヒステリー起こしてるやん |
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母に頼まれ、いやいや父の寝室に向かった いやむしろ先ほどよりも燃え上がっていた 俺は鼻血を拭いながら、窓の向こうに目をやった 一羽のツバメが軽やかに飛んでいた |
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ああ、やっと来よったで 逮捕せい、逮捕 なんや香ばしい匂いがすると思ったら 毛ぇ焦げてもうとるがな でもこれだけは言うとくぞ 肉食動物の肉は硬くてまずい ああ、こんだけ言うても食べるんやね うーわ、知らん間に、皮、裂かれてるし |
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ああ、今日ええ天気やなあ うーわ、ひ孫おらへんやん 生きるのってほんまに面倒くさいわ 面倒くさい事だらけやね せやけど、よう、この年まで生きてきたと思うわ 自分で自分を褒めてやりたいですよ クソッ、ええ事言うてるのに 誰も聞いてへんし |
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じいさん |
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ああ、久しぶりに早く家出たなあ |
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なんでやドア開かへんやんけ |
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ああ、やっと外出れた
十月十日長かったで腹ん中は
ふー、しゃばの空気は美味いなあ
ところで今日は何日や?
自分の誕生日ぐらいは覚えとかんとな
ええっとカレンダー、カレンダー
あった
うーわ、最悪やん
今日2月29日やん
よりによって
なんでうるう年のこの日に
生まれてくるかなあ
確率で言うと1460分の1ですよ
絶対あれやで
誕生日プレゼントなんか4年に1回しかもらわれへんで
手口わかってんねん
なんかいきなりやる気なくしたわ
もういやや
胎内戻ろ
うーわ、最悪やん
産道の中にめっちゃ兄弟おるやん
何人おんねん
1,2,3,4,5……
なんで六つ子やねん
わしゃ、おそまつ君か!
絶対、愛情も6分の1やで
ほんまに、どんだけついてないねんな
いたっ!
誰じゃ今、顔蹴ったやつは!
お前か?
逆子で生まれたから言うて
兄貴の顔蹴るやつがあるか
もう怒った
気分悪い
わしゃ、どっか行く
なんやねん
引きとめんなや
男が一度決めたことは二度と覆ら……
なんや
へその緒切ってなかったんかいな
勘違いしたがな
恥ずかしいやんけ
しゃあないな
お産の手伝いでもしたろか
おーい、看護婦さんタオル持ってきてくれ
痛い痛い
なんやねんな
生まれたての人間の耳引っ張んなや
なんやて
今、看護婦言うたら怒られるんかいな
看護師って言わなあかんの
面倒くさいなあ
どうでもええやんけ、そんな事は
わし気分悪い
子宮に戻るわ
いたっまた蹴りやがったなあ
なんでお前らは長男を大事にせえへんねん
もっと儒教を勉強せえ
あーあ、今ので歯ぁ折れたわ
生えてへんけど歯ぁ折れた
ほんまにもう散々やで
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ほんまに山の天候は気まぐれやで |
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パトラッシュ僕もう疲れたよ 犬が猫みたいな行動とったらだめですよ ほんまにだるいわ、あいつ |
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家康さまー |
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あっあぶな
寝過ごすとこやったわ
この駅で終点やねんから
誰か起こしてくれよなあ
ほんまに冷たいで
あっそうや
携帯でブログチェックしよ
最近、コメントとかアクセス数増えてきたし
これを見るのが楽しみで……
えっえっ?
なにこれ……
うーわ、最悪やん
ブログ炎上してるやん
やっぱりアイドル叩いたんがあかんかったか
ファンを怒らせてもうたかあ
あーあ、えらいことになってるがな
コメント数、8400て
ありえへんやろ?
しゃあないなあ
こうなったら閉鎖するしかないかあ
ほんでまた別のブログ作ろ
あーあ、せっかく軌道に乗ってきたとこやったのになあ
あれっなんや、騒がしいなあ
これ俺の家の方ちゃんかいな?
なんや、心配やがな
ちょっと駆け足で……
うーわ、最悪やん
家、炎上してるやん
せっかくローン組んだのに
三十五年やで、三十五年
あーあ、火災保険入っとくべきやった
誰やねん、火ぃつけたんは
それとも嫁はんのやつ
火つけっぱなしでどっか行ったんちゃうんかいな?
ちょっと、どいてどいて
ここ俺の家やねん
うーわ、嫁はん炎上してるやん
何べんも口説いて五年付き合って
やっと結婚までこぎつけたのに
これやったら他の女にしとくべきやったか
うわっびっくりした
ジョンやないか
お前も炎上してるんか?
お前、火に包まれて熱くないんか
何が散歩やねん
こんなときに散歩行ってる場合か?
ハフハフ言うなって、なんでハフハフ言うねん
せやけどお前なんで平気なんや?
ファイヤードッグ、ジョンやなあ
ちょ、ちょっとお前
こっち来んなって
なんやねん
なんでこんなときに限って
人懐っこいねん
熱い、熱い
こらっ火が燃え移るがな
向こう行け、ジョン!
散歩とか行ってる場合やないねん
ジョン、ステイ
ステイ、ジョン!
もう、全然言うこと聞かへんし……しつけ、失敗したがな
うーわ、もう最悪や、俺、炎上してるやん
消防隊員、無視しよるし
絶対あいつら気づいとるで
しゃあないなあ、ジョン
散歩行こ、散歩
ちょうど駅前に24時間営業中のスーパーできたから
そこでサツマイモ買って
公園で焼きいもでもしようやないか
でも問題はやな
スーパーに入れてもらえるかどうかやな?
その辺、お前はどう思う?
ワンやないがな、ワンや、何がワンやねん
ほな、そろそろ行こか
こいつ、またハフハフ言うてるし
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ちょー、待ってや |
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あれっ あれっ猿ちゃうわ 秀吉やん 城に住まわせてるらしいやないか? ええドラクエ、ドラクエと…… |
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おい、待て! |
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便意、もよおすわな |
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うーわ、田中さん転落死してるやん |
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マンション着くわな |
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まずは部長が挨拶するわな |
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高木係長の左遷が決定したらしい 消えていっただろうか 部長は言う 社会人にもなって、膝かっくんなどと 非常に子供じみた行いをする人間など わが社に不要なのではないかと かく言う私も何度その誘惑と戦ってきただろうか? し、しまった、油断した、ついついやってしまった 勤労三十二年、まじめに働き続けた私が こんなことで会社を追われることになるとは ああ、部長がこちらを振り向き笑っている それにしても、なんて嫌な笑みなのだろう |
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今日も私の元に津々浦々から その地方を代表するたくさんの若ハゲがやってくる 私も二十代の頃は若ハゲだったからに他ならない 毛のあるやつに負けてたまるか その一念が吹けば飛ぶような会社を 上場できるまでに押し上げたのだ 若ハゲなくして、今の私はない 若いのに禿げている そんな人間に肩入れしたくなるのは当然ではないか 人情ではないか 繰り返しになるが 若いのに禿げているのだ カルマを背負って生まれてきたに違いない そんな人間を元祖若ハゲ協同組合、二代目書記長である、この私が 見捨てられるわけないではないか ああ、どこかにいないものか? ガラッと変えてしまうような若ハゲが 左隣に栃木出身の若ハゲ(田中くん)を立たせながら |
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何が敵は本能寺にありやねん |
やっぱり家康にしとくべきやったなあ
あのとき家康に仕えてたら運命変わってたもんなあ
やっぱり時代は徳川やで徳川
とりあえずあとで遺書書いとこ
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パンストを破ってはいけません ああっひどいわ やっぱり破るのね でも愛しい人 |
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五年二組の教室に向かっていると という顔をしていたが |
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ペニスケースを付けた先生が正門の前に立っている |
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満を持して部長の右ストレートが放たれた |
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やっばいなあ |
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朝起きてから屁が止まらない |
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ちょっとすいません |
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毎年、年末になると
弟子たちの前で真剣白刃取りを行う
衰えていないというのを見せるためである
それと照れくさいので口にはしないが
自分への挑戦でもある
「師匠、いきます!」
弟子の掛け声の数秒後
私の頭上へと刀が振り下ろされた
刃を両手で挟み込む
タイミングが命だ
少しでもずれると致命傷を負う
『ズバッ!』
あっあれっ
うーわ、失敗してるやん
オレ真っ二つになってるやん
完全に真ん中で真っ二つ
左右対称ですやん
やないなあ、内臓出てるなあ
ちょっと誰かセメダイン持ってきて
おい弟子
お前らどこ行くねん
なんでやねん
飯奢ったたりしたやんけ
なあ弟子て
どこ行くねん
カラオケとか言うなって
なあ弟子、弟子て
うーわ全員出て行ってもうたやん
あっ猫入ってきた
野良猫入ってきた
これは多分やばいですよ
うーわ、めっちゃ寄ってきたし
ミャアミャア言うとるなあ
なんかいつの間にか乞食入ってきてるし
割り箸、持ってめっちゃこっち見てるし
うーわ、内臓、箸でつままれてるし
ちょっとかゆいし
ワハハ、やめんかいアホ!
こそばいやんけ
ワハハ、ワハハ
ワハハハハ
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目が覚めると大便を漏らしていた |
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引越し先のマンションの窓から
民家が見下ろせる
小説を書くのに行き詰ると外の景色に目をやる
これがいい気分転換になるのだ
最近、よく専業主婦が屋根に上っている
どうやら日向ぼっこが流行っているらしい
素朴な疑問だが
どうしてみんな裸なのだろう
やはり開放感のせいだろうか?
屋根から落ちそうになっている主婦もちらほら
足をばたつかせる姿が実にユーモラスだ
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あっもしもし奥さん 踏ん張って動かへんねん |
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玄関で父が母と口論をしている
問題は父の格好についてだ
父はウサギの着ぐるみで出社すると言って譲らない
母は額に汗を浮かべ、必死にそれを阻止しようとしている
三十年間、無遅刻無欠勤の父が
なぜ突然着ぐるみ姿で会社へ行くのか?
それは正直分からない
だが父のことだ
何か狙いがあるのだろう
私はたった一人の父の娘だ
父のことは信用したいし
着ぐるみについても理解を示したい
ただ一つ気になるのは
着ぐるみの背中に貼られた
『打倒! 社長』の紙だ
書道三段の父が書いた達筆な筆文字
着ぐるみで出社することが
社長を倒すことになるのだろうか?
それともこんなイタい社員がいますよと
知られることが会社に対する痛手になるのか
本当のところは分からない
それは父が無事帰ってこられたら
聞いてみようと思う
ああ、とうとう母が説得を諦めた
泣き崩れる母を置いて
家を出て行く父
不覚にも格好いいと思ってしまった
着ぐるみなのに
着ぐるみなのに
ウサギ姿の
着ぐるみなのに……
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あれっ? 誰も聞いてへんし |
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ああ、今私のかわいい後輩が 固唾を飲んで見守っている ああ、美代ちゃんが足をバタバタしている おかわいそうに |
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いいかよく聞け 日々のストレスが溜まっとるなあ なんか生き生きしてんもんなあ コブだらけやんか そこそこ有名やで 結構、偉いねんで キリストにそんなことしたら罰当たるで 神様怒るで 俺今しゃべってたやろ! なんで石投げるかなあ このスカタンどもが ハァハァ、普段運動してへんから ハァ、息が……ハァ切れるわ ハァ、ハァやっぱあれかな 関西弁があかんかったんかなあ |
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おい、お前人の家で何してんねん チュー、チュー音立てて ご存知みたいな言い方すんな 買える店あったら教えて欲しいわ 毎日そこに通うっちゅうねん あいつ口だけやん ちょっとだけあいつに期待した俺自身にもがっかりやわ なんかもうがっかりやわ |
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この詩をアントニオ猪木に捧げます。
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『出来心』 妻の顎が伸び続けている |
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