『下着泥棒への忠告』《創作物》

ワタクシ女子寮で暮らす大学生でございます

当年とって二十歳でございます

世の中に紳士的な殿方もたくさんおられますが

そうでない殿方もおられます

浅ましきは下着泥棒

ベランダなどへこっそり忍び込み

姫君のおパンツをお盗みになります

身のこなしはまるで忍者のようでございます

最近、わたくしのマンション近辺で

下着泥棒さんが出没しているそうでございます

姫君たちが大切にしているおパンツなどを

お盗みあそばせるとは何と卑劣な行為なのでしょう

わたくし怒り心頭でございます

また何よりも腹立たしいのは

一階に住んでいる姫君の中で

おパンツを盗まれていないのは

なんとワタクシだけだというこの事実!

盗まれていないのは喜ばしいことですが

泥棒さんに選り好みされているようで

釈然としないのでございます

それもこれもワタクシが

おそ松くんのキャラクター並に

デカパンを履いているからでございましょうか?

ワタクシだって好きでデカパンを履いているわけではございません

デカパンじゃないとわたくしの御居処は収まりませんもの

お願いだから下着泥棒さん

今度お盗みになる時は、ワタクシのおパンツも

どうかお盗みあそばせ

そうでないとワタクシそろそろ

ホエホエ~なんて口走りそうで怖いのです

そんなことを憂う今日この頃でございます

どうか皆様も下着泥棒さんにはお気をつけ下さいませ

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『サイの突進』《創作物》

サイとゾウが先ほどから睨みあっている

先に仕掛けたのサイだった

サイの突進を一度、交わしたゾウだったが戦いは終わらない

もう一度、体勢を整えたサイは

猛然とゾウに向かって突っ込んでいった

『パオーン!』

ゾウは雄たけびを上げながらサイを迎え撃つ

サイは吹っ飛んだ

最初からサイズが違う

体長7メートルを越えるゾウに対し

崔洋一はおよそ170センチ

崔がゾウに勝てるはずもなかったのだ

天高く舞い上がった崔洋一は、背中から地面に落下した

ピクン、ピクンと動いていたのもつかの間

やがて微動だにしなくなった

三日もしないうちに、その死体はハゲタカやハイエナに食い荒らされ

血と骨だけが残った

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『恐怖の告白』《創作物》

『放課後、校舎裏で待っています』

靴箱にそれだけ書かれた手紙が入っていた

からかわれているのかも?

なんて思いながら、私は授業後

きちんと言われた場所に脚を運んだ

けれど誰もいなかった

ああ、やっぱりか……

と少し残念な気持ちを抱えたまま帰ろうとしたその時

大きな影が向こうから近づいてきた

3年2組のジェイソン君だった

ジェイソン君はのっしのしとやってきた

右手にはいつものように斧を持っていた

今までは遠目で眺めたことしかなかったけど

初めて至近距離で見るジェイソン君は

巨大で威圧的だった

今日もおなじみのマスクをしていたので

どんな表情をしているのかは読み取れなかった

芝生まで歩いていったジェイソン君は

斧で地面に何かを書き始めた

ジェイソン君の怪力であっという間に

文字が地面に刻まれた

『ボクトツキアッテクダサイ』

確かにそう書かれていた

正直言うと混乱していた

別にジェイソン君が嫌いなわけではないけれど

付き合うとか、付き合わないとか

そんな風に思ったことなんて

ただの一回も無かった

黙したまま私をじっ見つめるジェイソン君

彼はきっと不器用だけど、優しい人なのだろう

マスクの奥にある瞳を見ると、そう思えた

「お友達からお願いします」

私がそう言うと

ジェイソン君は小さくガッツポーズした

メールアドレスを交換した私たちは

明日の日曜日に初めてデートすることになった

行き先はもちろんクリスタルレイクだ

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『部長に大外刈り』《創作物》

前から思っていた

いつやろうかと思っていた

ついにやる事にした

ようやく決意が固まった

明日、私は

田中部長に大外刈りをかける

平均よりもかなり小柄な女の私が

部長に対して大外刈りをするのはいかがなものか?

社内では、そんな陰口を叩く人間もいるだろう

大内刈りではダメなのか?

一本背負いではいけないのか?

そんな疑問を口にする人もいるだろう

だがそういう人たちは何もわかっていない

小柄な私が部長に大外刈りを決めるからこそ

そこに意味が生まれるのであり

他の選択肢など初めから存在しないのだ

念のため言っておくが

私は部長のことをうらんでいるわけではない

むしろ、有能な上司として尊敬さえしている

人間的魅力に溢れる素敵な方だ

でもそれとこれとは話が別だ

情に絆されてもし小外刈りなんか仕掛けようものなら

それはもう台無しなのだ

注意すべきは、大外狩りへのカウンター

そう、大外返しである

部長は柔道の有段者だ

一方、私は完全なる素人

通信教育で柔道をかじったにすぎない

無謀だと言う人もいるだろう

小柄な女に何ができると、笑う人もいるだろう

でも気にしない

笑わば笑え

誰が何と言おうと

私は明日、大外狩りをかける

部長に絶対、かけてみせる

私の覚悟は本物だ

だからこそ、今、辞表を書いている

首になったら仕方がない

上司に大外狩りをするというのは

そういうことなのだ

ああ、明日のお昼が楽しみだ

屋上での対決を思うと

今から胸が高鳴ってしかたがない

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『もしも世界中の女が光浦だったら』《創作物》

世界中の女が光浦だったら

メガネ屋が繁盛するだろう

世界中の女が光浦だったら

美人という概念は崩れ去るだろう

世界中の女が光浦だったら

シャクレていることが罪ではなくなるだろう

世界中の女が光浦だったら

ゲイが激増するだろう

世界中の女が光浦だったら

夜の営みが激減するだろう

世界中の女が光浦だったら

それでもするやつは、こっそりするだろう

世界中の女が光浦だったら

結果として光浦似の女の子が増えるだろう

世界中の女が光浦だったら

醜い比較がなくなるだろう

世界中の女が光浦だったら

恋愛映画が無くなるだろう

世界中の女が光浦だったら

大久保佳代子が喜ぶだろう

世界中の女が光浦だったら

きっとそれは全体主義なのだろう

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『乳、当てないで』《創作物》

なんやねん話って

またそれかいな

あんな

前も言うたやろ?

お前とは付き合えへんねん

なんべん言われてもな

俺の気持ちは変わらへんねん

俺は好きな人がおるねん

その人に惚れてるねん

わかってくれよ

わかって下さいよ

なんやねん

なんでや?

なんで人が真面目な話をしてる時に

お前は乳を押し当てるんだね?

確かにお前は乳がでかい

それは俺も認める

そして俺はお前の乳の感触が嫌いではない

でもな

だからと言って人が話している時に

乳を俺の上腕に押し当てるのは

倫理的に問題があり

あたかもそれを俺が望んでいる

そのような決め付けをするお前を

俺は決して許すことはないだろうし

心の中では軽蔑してしまうのも、致し方なく

お互い学生の分際であるにもかかわらず

乳を押し当てるという非道な真似をされては

今まで話してきたことが

意味をなさなくなることは明白であり

乳の感触が好きだから

俺がお前と付き合いたいかと言えば

それはまた別の話であり

今、俺がこうして話していても

お前は未だに乳を当て続け

それによって俺の下半身には

当然ながら男性としての反応が見られ

それは一見恥ずかしくもあるが

実は健康な証拠であり

そしてお前の名前は昭子である

俺が言いたいことはそうこっちゃ

わかったな?

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『総理大臣官邸にて』《創作物》

またやん

またやがな

また胡錦濤のやつパンダ送ってきよったがな

もういらん言うてんのに

なんでこんなに送ってくるかな

ほんまに困るで

こんなに毎日、毎日パンダばっかり送られてきたら

日本中パンダだらけになってまうがな

いや、もうなっとるがな

最初こそ、集客効果が上がったって

動物園の人らも喜んでたけど

こんなにパンダだらけになったら値打ちないがな

最近では、逃げ出したパンダが勝手に繁殖して

野良パンダになってるのもおるらしいなあ

食べるもんないから

民家に侵入して

勝手に庭にある草か気を

手当たり次第に食べるらしいなあ

ほんまに何をしてくとんねん

お前らは笹だけ食べてたらいいんですよ

まあ言うたらあんな、ぬいぐるみみたいな外見しとるけど

正味の話、あいつらクマやからなあ

みんな垂れ目の模様に騙されとるねん

人間っちゅうのは単純やなあ

えっまたパンダが届いた?

送り返せ!

さっき送られてきたとこやがな

ほんで何匹やねん

今度は何匹送ってきてん?

ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、百一匹?

アホか!

何考えとんねん、胡錦濤

新手の嫌がらせやないか

もう誰やねん

こんなときにドア叩くやつは

今、立てこんどんねん

えらいことになっとんねん

察したれよ

俺の気持ちを察したれ

うるさいな!

ドンドンドンドン叩くな

今開けるわいな

うーわ、パンダやん

パンダが直立不動で立っとるやん

おい!

警備どないなってんねん

パンダが総理大臣官邸まで入ってきたらあかんやろ

あいつら、何をしとんねん

うーわ、いつの間にか廊下パンダだらけになってるやん

しかも、めっちゃ強いやん

警備員ボッコボコやん

フルボッコですやん

やばいなあ

右も左もパンダだらけやがな

こうなったら最後の手段や

おい! 秘書

絵の具持って来い!

「何に使うんですか?」ってお前アホか!

全身に白いペンキ塗って

目元を黒く塗るに決まってるやろが!

これで上手い事、パンダの振りするんや

「プライドないんですか?」とか言うなよ

お前、秘書の癖に

なんで俺を傷つけることを言うねん

おう、やっと絵の具が届いたがな

さあ、裸になったぞ

全身隈なく塗ってくれよ

おうおう手際がいいやないか

あっという間にできあがったな

お前なんかやってたんか?

へー、元美術部なんや

それで慣れとるんやな

さあ、全身を確認してと……

アホ! アホ! ドアホ!

秘書のおたんちん!

お前これ、色が逆やないか!

パンダの模様くらい覚えとけよ

もう怒った

おい秘書

俺はな、前からお前に不満があったんや

よっしゃ!

今日という今日は

パンダの見てる前で、白黒はっきりつけたろやないか!

さあ秘書よ

かかってこい!

うーわ

秘書やなくてパンダが、かかってきたやん……

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『マツコデラックス賛歌』《創作物》

私はマツコ

人はみな私のことを

マツコデラックスと呼ぶ

ただのマツコじゃないんだよ

普通のよりもデラックス

私が歩けば地面が揺れて

行きかう人間振り返る

散歩の犬は三歩下がって

グルルと鳴くけど気にしない

なぜならそう

私はマツコ

普通のよりもデラックス

あれあれ

前からやってくるのは

現役横綱、白鵬翔じゃないですか

なぜに白鵬、こっちを睨んで

道の真ん中立ち止まる

私はマツコ

やっぱりマツコ

普通のよりもデラックス

白鵬ついに浴衣を脱いで

蹲踞の姿勢を取り出した

売られた喧嘩は、買うのがマツコ

白鵬、そのまま受け止める

がっぷり四つ

がっぷり四つ

マツコと白鵬

がっぷり四つ

両者の力が拮抗してて

いつの間にやら夜がふける

道路に置いた

携帯ずっと鳴っているけど、出られない

多分、今頃、テレビ局では

マツコ待ちだと騒いでる

だけどやっぱり私はマツコ

白鵬に勝ちは譲れない

なぜならやっぱり私はマツコ

普通のよりもデラックス

普通のよりもデラックス

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『優先座席の憂鬱』《創作物》

あーあ、妊婦乗ってきはったなあ

ここ優先座席やしなあ

譲った方がええかなあ

十代のくせして優先座席とか座るもんやないなあ

せやけど、あれやなあ

なんか声かけるの勇気いるしなあ

恥ずかしいなあ

俺、結構シャイやからなあ

どうしよかなあ

でも立ってるの辛そうやしなあ

声かけた方がええよなあ

せやけどなんて言うたらええんやろ

「どうぞ座って下さい」かなあ

それともあれか

何も言わずに立ち上がって

格好よく去っていくべきか?

うん?

あれれ

なんかおかしいぞ

妊婦の様子がおかしいぞ

なんかお腹の辺りがモゾモゾ動いとるぞ

うーわ、胎児出てきてもうてるやん

生まれたてやのに

お目目パッチリ開いてるやん

めっちゃ俺の方見てるやん

右手で臍のを掴んで、それでバランス取って

器用なやっちゃなあ

ええっ? なんやて

「席譲れ?」

そうそう、俺も譲らなあかんなと思ってたんや

「はよ譲れ」ってなんやねん

お前、胎児のくせして何をえらそうなこと言うとんねん

そら俺かて譲ろうと思ってたよ

こういうのってタイミングやん

これから勉強しよかと思ってたら

「いつまで遊んでんの! 早く勉強しなさい」って

親に言われることあるやん

あれと一緒ですよ

全くおんなじ現象ですよ

こっちは席譲る気満々やったっちゅうねん

もしな

もしお前が勝手に腹から出てくるという

トリッキーなことせんかったら

俺、多分声かけてたと思うわ

席譲ってたと思うわ

だって俺そういう男やもん

なんやねん

お前、ほんまにさっきからなんやねん

なんで生まれたてのくせにそんな偉そうやねん

なんやて?

「もっと年上を敬え」やと?

アホか!

それやったらお前が俺を敬え

確かにお前のオカンは俺より年上やけど

俺はお前より遥かに人生の先輩やからな

ようし、わかった

もう堪忍袋の緒が切れた

俺は席を譲る

席は譲るけどな

お前の母親に譲るんであって、お前には譲らんからな

わかったか?

生まれたての若輩者めが

「助けて」って何やねん

お前誰に助けを求めてるねん

そんなんで誰が来るっちゅうねん

あれれ?

またお腹がモゾモゾと

うーわ、最悪やん

全く同じ顔の胎児が出てきたやん

双子やったら、そう言うてくれよ

話が違うがな

こっちはお前で最後やと思って一生懸命、喋ってるのにやな

双子ってなんやねん

こんなことなるんやったら、この胎児

もっと早めに退治しとくべきやったわ

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『フンガーの襲来』《創作物》

最近、全く眠れない

原因はわかっている

フランケンだ

通学中、満員電車で私は偶然、フランケンの足を踏んでしまった

私の体重は40キロにも満たない

自分でいうのもなんだが、かなり華奢な方だ

一方のフランケンは恐らく200キロを軽く越えている

だから、象が小猫に足を踏まれたようなもので

全く痛くはないだろうと思い、特に謝りもしなかった

これがいけなかった

意外とフランケンは根に持つタイプらしく

夜な夜な私の家を訪れては

フンガー、フンガーと叫びながら

家の周囲をグルグル歩き回るのだ

朝が来るまで、ずっとである

おかげで我が家の家族は完全に睡眠不足に陥ってしまい

近隣の住民からも白い目で見られている

昨日回ってきた回覧板は『フンガー被害について』と題されており

中身はほとんど私の家への嫌味だった

何とかしろと言われて、何とかできるのならとっくにやっている

なんともならないから、困っているのだ

この頃、騒音被害は更に酷くなっている

昨日はフンガーにザマスが加わった

警察に言っても取り合ってくれないし

暴力に訴えたとしても、勝てる可能性は皆無だ

何しろ向こうには力自慢のフンガーがいるのである

こんなことになるのなら

フンガーの足を踏んだ時に、すぐ謝るべきだった

全ての発端はそこなのだ

ああ、こんなことをしている間にもう夜になっている

なぜに時間はこんなにも早く経ってしまうのか

あれっ、フンガーにザマス、それに今日はまた何かが加わっている

ウォー?

ウォーでがんす?

何だウォーでがんすって

ああ、三人組が妙な歌を大声で歌い始めた

エンリャーリャ、エンリャコーリャ言っている

なんなんだエンリャコーリャって?

お願いだからやめて欲しい

頭にエンリャコーリャがこびりついて離れない

ああ、明日から大学入試なのだ

こんな朦朧とした頭で問題など解けるわけがない

もしかすると、名前のところに『フンガー』とでも書いてしまいそうな

そんな予感がする満月の夜である

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